十二国記〜月の影 影の海
友達に借りたのが十二国記との出会いだった。自分で欲しくなって2002年に講談社で買った。
十二国記は私の青春そのものだった。それからかれこれ16年続編を待ち続けている。
大人になって、新潮社で完全版が出ると知り、平成24年にも買った。
書き下ろし長編はまだでない。
小野主上が体調不良とのことだったのに、ホラーは書いてるぢゃん…。それは構わないけど、十二国記も書いてくれー!
(あらすじ)十二の国に王と霊獣の麒麟、その周りの人々を描く異世界ファンタジー。
…とかなりざっくりと書いてみた。ファンタジーと一括りにするのは違和感がある。
だって、どの話も深いんだもん。私にはまとめられません。
取り敢えず『月影』のあらすじらしきものから書いてみる。
(上巻)女子高生の陽子はケイキと名乗る人物に無理矢理別世界に連れ去られる。ケイキとはぐれた陽子は一人別世界を彷徨うこととなる。
暗いです。上巻だけ読めば。
『千と千尋の神隠し』もいきなり別世界に行って冒険することになるけど、その比じゃないくらい過酷。(『千と千尋』もすごく名作だけど、過酷さだけを比較するとって話ね)
私じゃ一日も保ちません。
妖魔に襲われ、衛士に捕まれば殺されることが分かっていて、信じた人には騙され。
こんな別世界に連れ去られるって。
今いる世界がすごく嫌だったとしても、行きたくないわ。
(下巻)楽俊に助けられ、日本に帰る手がかりを求めて、大国の雁国に向かう陽子。そこで知る真実とは…。
それにしても、何度読んでも、大人になって読んでも色褪せないところがすごい。
私は特に利広と珠晶ちゃんが好きだ。そして尚隆と六太も好きだ。
って今回は『月影』の話ね。
詳しく語るよりも、名言を引用させてもらうことにする。
まぁ、楽俊の「おいらには三歩だ」に勝てるインパクトのものはないが笑
否、これも実はすごく深いんだけど。
って真面目に行こう。
ザ、名言↓
「試験なんてのは勉強すれば受かるし、金なんてのは稼げは貯まる。いったい何をお願いするんだ?」→楽俊
「裏切った相手が卑怯になるだけで、私の何が傷つくわけでもない。裏切って卑怯者になるよりずっといい」→陽子
「ひょっとしたら臆病だったのではなく、単に怠惰だったのかもしれない。自分の意見を考えるより他人の言うままになっている方が楽だった。他と対立してまで何かを守るより、取りあえず周囲に合わせて波風を立てない方が楽だった」→陽子
「莫迦やって、それが自分の損になるだけだと分かってても、人はあえて罪に踏み込むことがある。人は愚かだ。苦しければなお愚かになるってことだな」→六太
「愚かな自分から目を逸らしたら、きっとどこまでも愚かになる」→陽子
「どっちを選んでいいか分からないときは、自分がやるべき方を選んでおくんだ。
やるべきことを選んでおけば、やるべきことを放棄しなかったぶんだけ、後悔が軽くて済む」→楽俊
最後に一つ。
何回も泰王と泰麒が行方不明との話が出てくる。これが十二国記の核となるとは…。